公益社団法人郡山青年会議所

2024年度 理事長所信

第64代理事長 織田 陵平

Do one's best !
~心を尽くして行動しよう!私たちの想いが新世紀 郡山の扉を開く~

 新型コロナウイルス感染症も「5類感染症」に分類され、徐々にまちに賑わいが戻り、大きく変化した社会生活もコロナ禍以前に戻りつつありますが、現在は急速に変化する先行きの見えない時代、VUCA(ブーカ)の時代とも言われております。不透明な時代に加え、2022年に勃発したロシアによるウクライナ侵攻の長期化によるエネルギー価格や原材料価格の高騰、日本各地で頻繁に起こる激甚災害による被害などが、私たちの生活に大きな影響を及ぼしております。このような時代のなかで、私たち郡山青年会議所には何ができるのでしょうか。
 郡山青年会議所は、1961年に全国で197番目のLOMとして誕生しました。以来63年に亘り「明るい豊かな社会」の実現を目指し、常に時代の先駆者としてまちづくりやひとづくりを通して社会にインパクトのある運動を展開し、多くの困難を乗り越え郡山の発展に寄与してきました。先人の想いや歴史が現在を生きる私たちに受け継がれ、絶えることなく運動が継続し大きな力となっております。
 2024年に郡山市は市制施行100周年を迎えます。また、「うねめまつり踊り流し」は60周年、日本初の野外ロックフェスティバルとも言われている「ワンステップフェスティバル」から50年、更に奈良青年会議所との姉妹JC締結から50周年と、様々な節目の年でもあります。新しい100年を迎えるにあたり郡山青年会議所がより地域に必要な組織となるためには、時代に即した多種多様な価値観を受け入れ、広い視野を持ち多くの課題に取り組んでいく必要があります。青年会議所は単年度制でありますが、計画的に運動を展開し、まちのため、ひとのために英知と勇気と情熱をもって行動していかなければなりません。そのためには、青年会議所の基本理念である「修練」「奉仕」「友情」からなる三信条や「明るい豊かな社会」の実現という共通の理想を今一度深く理解し、理念に基づく明確なビジョンのもと時代に即した運動を展開していくことが、新世紀 郡山へ貢献する一歩になると考えます。
 心を尽くして行動すること、情熱をもってまちづくりやひとづくりに携わることこそが、郡山の未来を牽引し、「明るい豊かな社会」を実現していく力になると確信しております。

理念共感型の組織へ

 なぜ青年会議所へ入会しましたか―。この問いへの答えは人それぞれで、入会のきっかけはどんなものでも構わないと思います。しかし、青年会議所には共通の理念やビジョンがあります。何のために、誰のために存在し、運動を行っているのか。何を大切にし、何を実現していくのか。会員一人ひとりがそれらを深く理解したうえで言語化し発信することが、目的を軸に据えた理念共感型の組織を形成し、会員拡大へつながっていくと考えます。多くの共感者を生み出しより地域に必要な組織となるためにも、会員拡大は大きな課題であり、中長期的な計画のもと継続的に取り組む必要があります。人は共感や共鳴を得ると動き出します。「地域の課題を解決し、社会を変革するには、どうしてもあなたの力が必要です。」そう伝えられる組織こそが私たちが望む組織ではないでしょうか。青年会議所の先輩方は、長い歴史のなかでまちの発展に寄与して来られました。これまで築かれた信頼と実績が、明るい豊かな社会を実現するための礎となっております。私たちは、共通の理想の実現のために、自身の運動に誇りを持ち行動をしていかなければなりません。そして、私たちには家族があり、仕事があります。限られた時間を青年会議所運動に注いでいるからには、なぜ運動を行っているかを明確化し、まちの発展のために行動していることを誇りに、自身の成長を見せることで感謝を伝えなければなりません。青年会議所の理念を自身へ浸透させ同志を増やすことが、明るい豊かな社会の実現、即ち、多様性と持続性があるまちの実現へとつながり、家族や仕事にも良い影響をもたらすと考えます。

心を込めた情報発信

 SNSやYouTubeなどの発達により、誰もが自由に発信を行える世の中となりました。情報過多の時代において真に役立つ情報を自身で取捨選択しなければならない状況のなかで、郡山青年会議所の情報発信を効果的に行うためにはどのような方法があるのでしょうか。これまでもFacebook、X(旧Twitter)、Instagram、YouTubeなど様々なツールを活用し情報発信を行ってきました。しかし、情報発信はあくまでも手段であり、情報発信の真の目的は、連携するパートナーと継続的なコミュニケーションを行い信頼関係を構築することにあります。決して一方的に発信するだけではなく、市民をはじめ様々なパートナーと心を通わせ交流を図り、郡山青年会議所の魅力を伝え共感の輪を拡げることがブランディングとなり、効果的な発信につながります。また、郡山青年会議所の運動・活動の中身をより可視化し、会員一人ひとりにスポットを当てながら地域に発信していくことで、青年会議所の存在が身近になると考えます。理念やビジョン、日頃の運動や活動を効果的に発信することで、私たちの運動に共感するまだ見ぬ同志を発掘できる可能性があるのです。

地域の宝でまちに活力を

 郡山市は2008年に「音楽都市宣言」を行い、今日まで音楽と言う地域の宝を磨き上げてきました。郡山市が音楽都市宣言を行った背景には、様々な困難を市民が音楽の力を借り乗り越えてきた歴史があります。ここ数年は新型コロナウイルス感染症の影響や度重なる地震による施設の損壊により、市民が音楽を身近に感じる機会が減少しました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症も「5類感染症」に分類され、次第に音楽の灯が復活しています。「音楽都市郡山」は現在「楽都郡山」となり、2008年に制定された「郡山市音楽都市宣言」から15年以上が経過しました。音楽は郡山市が全面に打ち出しているブランドとなりますが、音楽がまちにあふれ、人の輪が広がり心をつなぐ「楽都郡山」は浸透しているのか、今一度考える時期を迎えているのではないでしょうか。様々な文化は都市生活の水準を示す指標でもあり、その中でも音楽をブランドにしている郡山市においては、都市における音楽の役割を全体的に探究していくことが包括的な利益をもたらし、市民が誇りを持てる文化的な都市形成へつながると考えます。郡山市の特色ある文化に根差した魅力を発信し、市民が積極的に郡山市のブランドやイメージを対外に広めていくことで、人々の交流を促進し人と人が織りなすハーモニーを奏でる魅力ある「楽都郡山」の創出へとつながります。

未来ある子どもたちのために

 まちの発展を考える際には、そのまちに住まう子どもたちの未来も同時に考えていかなければなりません。近年、子どもたちを取り巻く環境は大きく変化しております。核家族化の進行や地域コミュニティの希薄化、SNSの進化や学びの在り方などが新たな局面を迎えているなかで、子どもたちが社会の一員として主体的に他者と尊重し合い、困難を乗り越え諦めず行動していくために、地域の大人たちができることは何でしょうか。私たちは地域に根差した団体として、地域の特長を活かした体験や交流を通じた地域教育や、様々なコミュニケーションにより心を通わせることで生きる力を育て、まちの歴史や特性をより深く理解し愛郷心の醸成につながる機会を提供することで、将来の郡山を担う人財へと成長する一環になると考えます。子どもたちの健やかな成長と社会の一員としての自立が地域へ活気を生み出し、まちのさらなる発展へとつながっていくのです。

結びに

 青年会議所は、会員一人ひとりが自分の個性を発揮し、まちづくりやひとづくりの魅力や楽しさを共感できる場です。様々な機会があり、その機会を活かすために当事者意識を持って行動することで経験値を上げ、その経験が大きな力となります。自分の経験値以上の発想力や創造力は生み出されないと言われます。成功や失敗の経験から取捨選択を行いより良い運動を起こすことが、「明るい豊かな社会」の実現に近づくと考えます。コロナ禍を経た新しい時代の変化に柔軟に対応し、それぞれの価値観の中で互いに尊重し合い、大きな一つの目的に向かって行動し、誰かの挑戦を全ての人が応援できる、助け合える組織であれば、組織は自然と成長すると思っております。新しい時代への過渡期のなかで、これまでの型に捉われない型破りな発想も必要になってくるでしょう。守るべきものは守り、時代の先を見据えて郡山の未来を切り拓いてきた先人たちのように、私たちも強い信念を持ち運動を展開し、心を尽くして行動してまいりましょう!新世紀 郡山の扉を開くために。